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「三遊亭朝橘 真打披露パーティー」にて余興の大役、なんとか無事に。。

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三遊亭橘也、改め、三遊亭朝橘兄さんの真打披露パーティーにて、

余興の大役をつとめさせていただきました。

 

3月17日金曜日、場所は如水館館にて、18時開宴。

 

余興の内容というが、浪曲にて「三遊亭朝橘一代記」を一席、というのが朝橘兄さんからのご依頼でございました。

このお話をいただいたのが、去年の暮れだったのですが、率直にもう、

 

嬉しかったです。

 

噺家さんにとって、一生に一度の晴れの舞台にて、その主役のご当人の一代記をやらせていただけるなんて、こんな光栄なことはないです。しかも、私のような無名の浪曲師に。

 

朝橘兄さんからは、ただ一言、

 

「もう、好きにやってくれ」

 

と。時間も、25分でも30分でもいい、っていうんです。30分は、ダメでしょう笑。長すぎるでしょう、どう考えても笑笑。兄さんも私も方々から怒られちゃうよ笑。

でも、それくらい、

 

私に任せてくださったんです。そりゃ、

 

応えるしかない。

 

と思いました。後輩をやる気にさせるのが、うまいお人だ。

 

上野の喫茶店で、2時間くらいだったかなぁ。兄さんの小さい頃から、弟子入りに至るまで、いろんなエピソードを聞かせていただきました。

落語家になってからの方が膨大な思い出があるはずですが、浪曲の素材としては、「ひとつ象徴的なエピソード」をいただければ、それで15〜20分くらいの一席は十分作れると思ったので、いろんなお話を聞かせていただいた上で、

「落語と出会って、円橘師匠に弟子入りが叶うまで」

そこだけで一席になると、話を聞かせていただいたその場で思いました。

 

それくらい、兄さんのお話になった弟子入りまでのエピソードが面白かった。あとはそれを整理して、節と語りと啖呵(セリフの部分)に分けて、全体にまとめる、それだけでした。

ただ、舞台が舞台なので、言葉遣いとか、どなたかに失礼があってはいけないとか、そういう気遣いは普段考えないレベルで考えなきゃいけないので、色々迷ったり、正解がわからなかったりして、その部分はちょっと苦戦しました。

あとは、円橘師匠にはお目にかかったことがなかったので、そのところもいろいろ手探りで。。ネットで調べて、円橘師匠の落語が配信されていたので、拝聴して想像を膨らませたり。

覚える段になって、

ご家族の名前や、師匠の高座を初めて聴いた日、ご自宅に伺った日、弟子入りした日といった年月日といった、絶対間違えちゃいけない要素もある。

ギャグとして入れたかったので、朝橘兄さんの大学の卒論のテーマ、

 

「静岡県沼津市における機械金属工業の集積連関構造」

 

なんて単語も覚え笑(まあ、意味は全くわからないんですが笑)。

 

…すみません、頑張ったアピールをしたいわけじゃなくて、まあ、道のりとして笑。仕事なんですけど、半分仕事じゃないような気もするというか、なんか、いろいろ考えるのが楽しくて。

 

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でも、当日は、楽しいどころじゃなかった笑。

 

だって、みなさん。余興の出番が、パーティーの一番最後の〆、「円楽一門会勢揃いでのご挨拶」の直前ですよ。そしてそして、私が浪曲をやる舞台の、一番目の前の舞台に座っていらしゃるのが、

 

円橘師匠はもちろん、円楽師匠、好楽師匠、立川流からはぜん馬師匠、落語協会からは円丈師匠、喬太郎師匠、講談協会からはすみれ先生、そして名だたる評論家の皆様などなど、

そのテーブルが、いちば〜ん目の前。

 

この席次を当日知った時、一気に心拍数が上がりました笑。

 

控え室で待機している時、みね子師匠まで「なんか、緊張してきた」とおっしゃるので、

 

「おかみさんまで緊張しないでくださいよ」

 

「そう言われたって、緊張してるんだから。しないでって言われても、無理よ」

 

「ああ…そうですね…」

 

そんな、普段はしないような会話もしました笑。

 

本番は、もう、あっという間でした。

 

最初から最後まで、ずーっと緊張してました。なんとかアドリブを入れたり、焦りながらも間を保ちながらやれたのは、目の前におられた師匠方をはじめ、先輩方、お客様方が、ものすごく陽気に温かく聴いてくださったおかげです。(とん楽師匠に至っては、武春師匠仕込みの”たっぷり””日本一!”という掛け声まで泣。。。)

私が考えたギャグ、演出もありましたが、伺ったエピソードをそのまま紹介するだけで、ドッカンドッカン笑ってくださるです。

兄さんが私にお話してくれた時点で、各エピソードごとに「フリとオチ」がついていて、ただもうそれを節に乗せるだけでよかったんですね。改めて、そう思いました。

 

こんなに緊張しっぱなしで、こんなに幸せな口演は、これまでもこれからも、そんなにたくさんはないんじゃないかと思います。

それくらい、特別な機会でした。

 

長々すみません。。。

 

改めて、朝橘師匠をはじめ、あの場にいらっしゃった皆様に心より御礼を申し上げますとともに、全国の社長様会長様、また役職に関わらず、

「私の一代記を浪曲にしてほしい」

というご依頼がございましたら、お気軽にご依頼…いやいやそうじゃない!笑

 

朝橘師匠の真打披露興行は、4月1日〜10日まで両国亭にて10日間トリを務められます。18時開演。平日はお仕事がある皆様、途中入場でもトリの出番には十分間に合います。

両国亭29.4ryou1704

披露パーティーと同じような、温かさと一門の一体感と朝橘兄さんの魅力に溢れた興行になること間違いなしです。

一生に一度のこと、ぜひお祝いに参じていただけましたら幸甚でございます。

 

あ、それから、「三遊亭朝橘一代記」のご用命もいつでもご依頼お待ち…笑。いやいや、この一席は私の胸の中に納めさせていただきたいと思います。

というよりも、

真の「三遊亭朝橘一代記」は、ご承知の通り、これまでのことではなくて、これからのこと。つまり、4月1日の披露興行からが、一代記の幕開きでございます。

 

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朝橘師匠、本当におめでとうございます。

 

太福拝

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