*

「三遊亭朝橘 真打披露パーティー」にて余興の大役、なんとか無事に。。

IMG_1283

三遊亭橘也、改め、三遊亭朝橘兄さんの真打披露パーティーにて、

余興の大役をつとめさせていただきました。

 

3月17日金曜日、場所は如水館館にて、18時開宴。

 

余興の内容というが、浪曲にて「三遊亭朝橘一代記」を一席、というのが朝橘兄さんからのご依頼でございました。

このお話をいただいたのが、去年の暮れだったのですが、率直にもう、

 

嬉しかったです。

 

噺家さんにとって、一生に一度の晴れの舞台にて、その主役のご当人の一代記をやらせていただけるなんて、こんな光栄なことはないです。しかも、私のような無名の浪曲師に。

 

朝橘兄さんからは、ただ一言、

 

「もう、好きにやってくれ」

 

と。時間も、25分でも30分でもいい、っていうんです。30分は、ダメでしょう笑。長すぎるでしょう、どう考えても笑笑。兄さんも私も方々から怒られちゃうよ笑。

でも、それくらい、

 

私に任せてくださったんです。そりゃ、

 

応えるしかない。

 

と思いました。後輩をやる気にさせるのが、うまいお人だ。

 

上野の喫茶店で、2時間くらいだったかなぁ。兄さんの小さい頃から、弟子入りに至るまで、いろんなエピソードを聞かせていただきました。

落語家になってからの方が膨大な思い出があるはずですが、浪曲の素材としては、「ひとつ象徴的なエピソード」をいただければ、それで15〜20分くらいの一席は十分作れると思ったので、いろんなお話を聞かせていただいた上で、

「落語と出会って、円橘師匠に弟子入りが叶うまで」

そこだけで一席になると、話を聞かせていただいたその場で思いました。

 

それくらい、兄さんのお話になった弟子入りまでのエピソードが面白かった。あとはそれを整理して、節と語りと啖呵(セリフの部分)に分けて、全体にまとめる、それだけでした。

ただ、舞台が舞台なので、言葉遣いとか、どなたかに失礼があってはいけないとか、そういう気遣いは普段考えないレベルで考えなきゃいけないので、色々迷ったり、正解がわからなかったりして、その部分はちょっと苦戦しました。

あとは、円橘師匠にはお目にかかったことがなかったので、そのところもいろいろ手探りで。。ネットで調べて、円橘師匠の落語が配信されていたので、拝聴して想像を膨らませたり。

覚える段になって、

ご家族の名前や、師匠の高座を初めて聴いた日、ご自宅に伺った日、弟子入りした日といった年月日といった、絶対間違えちゃいけない要素もある。

ギャグとして入れたかったので、朝橘兄さんの大学の卒論のテーマ、

 

「静岡県沼津市における機械金属工業の集積連関構造」

 

なんて単語も覚え笑(まあ、意味は全くわからないんですが笑)。

 

…すみません、頑張ったアピールをしたいわけじゃなくて、まあ、道のりとして笑。仕事なんですけど、半分仕事じゃないような気もするというか、なんか、いろいろ考えるのが楽しくて。

 

IMG_1278

 

でも、当日は、楽しいどころじゃなかった笑。

 

だって、みなさん。余興の出番が、パーティーの一番最後の〆、「円楽一門会勢揃いでのご挨拶」の直前ですよ。そしてそして、私が浪曲をやる舞台の、一番目の前の舞台に座っていらしゃるのが、

 

円橘師匠はもちろん、円楽師匠、好楽師匠、立川流からはぜん馬師匠、落語協会からは円丈師匠、喬太郎師匠、講談協会からはすみれ先生、そして名だたる評論家の皆様などなど、

そのテーブルが、いちば〜ん目の前。

 

この席次を当日知った時、一気に心拍数が上がりました笑。

 

控え室で待機している時、みね子師匠まで「なんか、緊張してきた」とおっしゃるので、

 

「おかみさんまで緊張しないでくださいよ」

 

「そう言われたって、緊張してるんだから。しないでって言われても、無理よ」

 

「ああ…そうですね…」

 

そんな、普段はしないような会話もしました笑。

 

本番は、もう、あっという間でした。

 

最初から最後まで、ずーっと緊張してました。なんとかアドリブを入れたり、焦りながらも間を保ちながらやれたのは、目の前におられた師匠方をはじめ、先輩方、お客様方が、ものすごく陽気に温かく聴いてくださったおかげです。(とん楽師匠に至っては、武春師匠仕込みの”たっぷり””日本一!”という掛け声まで泣。。。)

私が考えたギャグ、演出もありましたが、伺ったエピソードをそのまま紹介するだけで、ドッカンドッカン笑ってくださるです。

兄さんが私にお話してくれた時点で、各エピソードごとに「フリとオチ」がついていて、ただもうそれを節に乗せるだけでよかったんですね。改めて、そう思いました。

 

こんなに緊張しっぱなしで、こんなに幸せな口演は、これまでもこれからも、そんなにたくさんはないんじゃないかと思います。

それくらい、特別な機会でした。

 

長々すみません。。。

 

改めて、朝橘師匠をはじめ、あの場にいらっしゃった皆様に心より御礼を申し上げますとともに、全国の社長様会長様、また役職に関わらず、

「私の一代記を浪曲にしてほしい」

というご依頼がございましたら、お気軽にご依頼…いやいやそうじゃない!笑

 

朝橘師匠の真打披露興行は、4月1日〜10日まで両国亭にて10日間トリを務められます。18時開演。平日はお仕事がある皆様、途中入場でもトリの出番には十分間に合います。

両国亭29.4ryou1704

披露パーティーと同じような、温かさと一門の一体感と朝橘兄さんの魅力に溢れた興行になること間違いなしです。

一生に一度のこと、ぜひお祝いに参じていただけましたら幸甚でございます。

 

あ、それから、「三遊亭朝橘一代記」のご用命もいつでもご依頼お待ち…笑。いやいや、この一席は私の胸の中に納めさせていただきたいと思います。

というよりも、

真の「三遊亭朝橘一代記」は、ご承知の通り、これまでのことではなくて、これからのこと。つまり、4月1日の披露興行からが、一代記の幕開きでございます。

 

IMG_1281

朝橘師匠、本当におめでとうございます。

 

太福拝

関連記事

siburaku

渋谷らくご、ご来場ありがとうございました!

渋谷らくご「創作らくご」の回、ご来場ありがとうございました。 三笑亭夢吉「引退試合」

記事を読む

月例木馬亭H30.3~5月(低)

4月の予定でございます。(4/22更新)

お待たせしすぎました…4月の予定です。。 宣伝が遅いということは、ご予約も少なかったりします。

記事を読む

玉川太福 AASS7433a

【お仕事のご依頼・お問い合わせ】

【浪曲の口演】 ・古典演目…お馴染み「忠臣蔵」、「天保水滸伝」「清水次郎長伝」などの侠客伝

記事を読む

太福20180416-2

4/16「男はつらいよ」浪曲化口演は『第7作奮闘編』…!

発表が大変遅れてしまいました。 ご予定くださっていたお客さま、詳細お待たせして大変失礼いたしま

記事を読む

no image

「太福、三席」「銀座サロン」ご来場ありがとうございました。

ご来場いただきまして、ありがとうございました。 3年、いや少なくとも2年はやってなかったであろ

記事を読む

no image

11月の予定でございます。新潟も。

1日(日) 「第19回 竹扇松戸落語会」 14時開演 会場:松戸東口会館(松戸市小根本2

記事を読む

H27.7新潮講座

7月の予定。講座始まります。大阪も行きます。(訂正版)

1日(水) 「浪曲定席木馬亭」 12時15分開演 11時45分開場 出演:国本はる乃、玉

記事を読む

20181031_kamecyabu

10月の予定でございます(10/10更新)

ご覧いただきありがとう存じます。 公演追加、完売等の更新は随時いたしますので、たまにのぞいてみ

記事を読む

no image

夕刊フジ「ご推奨」紙面(H29.6.21)

演芸評論家の高山和久さんに取材していただきました。感謝。。。(前日にお電話いただいたのに、宣

記事を読む

第2回浪曲フェス表紙OL

10月の予定

3日(金)「浪曲定席木馬亭」 12時15分開演 会場:浅草木馬亭(台東区浅草2−7−5)

記事を読む

118
玉川太福オフィシャルHPがリニューアルしました〜

新サイトのアドレスは、   http://tam

auto-VNuwnr
1月の予定でございます。

元日(火) 「浪曲定席木馬亭〜新春特別興行〜」11時開演 10時

1bMHCL2792_FH1A_H1-4_N2355_prep.pdf
11/28 CD「浪曲 玉川太福の世界」ソニー・ミュージックダイレクトより発売!

特設サイト: http://www.110107.com/s/ot

玉川太福 AASS7433a
【お仕事のご依頼・お問い合わせ】

【浪曲の口演】 ・古典演目…お馴染み「忠臣蔵」、「天保水滸伝

170119210413
すこ〜し先の予定でございます。(1/5更新)

「会の情報は早いほどありがたい!」というご意見をいただきましたので、毎

月例木馬亭H30.3~5月(低)
「 玉川太福”月例”木馬亭独演会」のご案内

第一回玉川太福”月例”木馬亭独演会、無事に開催することが出来ました。

USER9253
2018年演目一覧と御礼。

今日は12月30日。 さきほど、ニッポン放送で中村こずえさんの番

H30•12鍛耳会スペ
12月の予定でございます。(12/9更新)

お待たせしすぎました。本当にすみません。 そして、どうかご予定の

→もっと見る

PAGE TOP ↑